後藤俊夫(名大工),神藤正士(静岡大工)
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表記の国際会議が2001年7月17日から22日の6日間にわたって,名古屋国際会議場で開催された.本会議は伝統的に2年ごとに東西ヨーロッパで開催されて来たが,真の国際会議となるために,第22回に初めてヨーロッパを離れアメリカのニュージャージ州ホーボーケンのステイーブンス工科大学で開かれた.今回の名古屋開催は,アジアの地での最初のICPIGであることに加え,50周年に当たる記念すべき会議であり,その成否が注目されていた.前回1999年7月のワルシャワ会議以降2年間の準備活動の基に,過去最大の参加者数および論文数を得て充実した討議が展開され,成功裏に終えることができた.本報ではその概要を報告する. 1.参加国と参加者数 参加国の地域別分布では,ヨーロッパからの22カ国が最大であり,次いでアジアの7,南北アメリカの3,アフリカの2とオーストラリアの合計36カ国であった.参加者数は700名で,我国の470名を筆頭に,ロシア40名,ドイツ29名,フランス16名,米国17名,英国13名,ルーマニア12名,ウクライナ11名が10名以上の参加のあった国々である.ロシア勢の参加者が多いのは本会議の伝統を引き継いでいることを象徴している.
2.トピックスと論文数 本会議では,口頭発表は招待講演であるGeneral
lectureとTopical lectureに限られており,Contributed
paperはすべてポスターでの発表となっている.各発表件数は,国際組織委員会(ISC)で選ばれた各国からの講演者による8件のGeneral
lectureと24件のTopical lecture,623件のContributed
paper,合計655の論文が発表された.論文ごとにそれぞれ2ページを割り当てられた予稿原稿は4冊のProceedingsに編集され,受付時に参加者に配布された.上記2種類の招待講演の論文はPlasma
Sources Science and Technology (PSST)
の特別号にまとめられ,後日参加者に配布される.Table1にContributed
paperのトピック別の講演数を示す.今回は日本で開催されたこともあって,プラズマの半導体プロセスへの応用分野で多くの論文が発表され,活発な討論が行われた.
3.ワークショップ 本会議では上記の講演の他に,話題性のあるテーマを深く議論する目的でワークショップが開催される.今回は2日目の午後,"Advanced Plasma Processing Technologies and Underlying Physics and Chemistry"と"Recent Dusty Plasma Researchers in Plasma Physics and Applications"の2つのワークショップが併行して開かれ,それぞれ7および5件の論文発表がなされ,好評であった.これらの講演の論文もPSSTの特別号に掲載される予定である.
4.その他 初日のWelcome receptionには会場に溢れんばかりの500名を超える人達が参加され,賑やかな会となった.また,19日の東急ホテルで開かれたバンケットには250名の参加があり盛会であった.エクスカーションも2つのコースで120名余の参加者を得て催行され,外国からの参加者に好評であった.終わりに,本会議開催にあたって多くの学協会の協力と企業・財団からの助成をいただいたことに対して厚く謝意を表する次第である. (2001年8月3日受理) |