第16回制御核融合装置におけるプラズマ表面相互作用に関する国際会議

(核融合科学研究所 西村清彦)


 本会議は,核融合プラズマ実験装置における周辺プラズマと壁材料との相互作用,燃料粒子の挙動,周辺プラズマの計測と制御,不純物の発生と輸送,熱の輸送などのテーマについて,ヨーロッパ,アメリカ,日本を会場として2年ごとに行われています.今回は,アメリカの  MITがホストとなり,メイン州ポートランドにて2004年5月24日から28日まで行われました.学会誌では,会議の概要を紹介いたしましたが,こちらでは図とか写真を織り交ぜてその他の部分を中心に紹介したいと思います.






 メイン州は,アメリカ合衆国の北東のはずれ,カナダとの国境に位置し人口約127万人,かつてはマサチューセッツ州の一部だったそうです.ポートランドはボストンから北へ車で約2時間のところにある、ロブスターで有名なメイン州最大の都市です.短期間,州都であったこともありますが,現在の州都はオーガスタです.ポートランド市の人口は約6万4千人の閑静なところで,気候は札幌よりやや涼しく網走や北見よりは暖かい感じです.ポートランド市の中心部は半島部にあり,近郊を含めたメトロポリタン地域として(地図でオレンジ色の地域)は人口約23万人となっています.


<ポートランド豆知識>オレゴン州の「ポートランド」は、2人の開拓者が共有の開拓地を命名するにあたり,それぞれの出身地である「ボストン」と「ポートランド」を主張し,コインによって「ポートランド」と命名したものです.


 会議はポートランド中心街の西の端(地図中の赤丸)にあるホリデイ・イン・バイ・ベイ(右の写真)で行われました.会議には,20カ国から253人(?)の参加がありましたが,ビザ発給のトラブルにより中国からの口頭発表が2件キャンセルされたのが残念でした.参加人数が最も多かったのはアメリカで74人,ついで日本が57人,ドイツ50人で,この3国で全体の約7割を占めていました.これに続くのは,フランス(22人)とイギリス(12人)でした.発表の内訳はレビュー講演が5件,招待講演が15件(日本4件),口頭発表が41件(日本11件),ポスターが190件(日本77件).口頭の講演は午前と午後の前半に行われ,ポスター発表は午後の後半に行われました.講演会場は横に広く,中央に講演台(写真中央の議長席の右側)がありプレゼンテイションは左右の大スクリーンに映写されました.











全体のプログラムは,以下のとおりでした.

16th International Plasma Surface Interactions Conference Program Overview (PDF 8k)





 会議は並列セッションが無いこともあり,どの講演もほぼ満員で活発な質疑応答がなされていました.ポスター発表も盛況で,人をかき分けながら歩く状態でした

火曜日の夜に行われた地元チームとのサッカーは,前半2-0とリードしながらも,後半に追いつかれ,惜しくも引き分けとなりました.

 木曜日のバンケットは,船で2時間ほどのLittle Diamond Islandという(たぶん)島に設けられたテント張りの野外レストランで,メイン州名物のロブスターが出されました.





 最終日,会議閉会後にMITのAlcator C-Mod(写真参照)の見学バスツアーがありました.窓から,Alcator C-Modの内部のダイバータ板等を見ることができました.

 次回の会議は,中国科学院等離子体物理研究所がホストとなり,2年後の2006年5月22-26日に中国安徽省合肥で開催される予定です.

 

(2004.6.18原稿受付)


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最終更新日:2004.6.24rev(6.22)


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