第34回欧州物理学会(EPS)
プラズマ物理に関する会議報告

山田弘司(核融合科学研究所)
村上匡且(大阪大学レーザーエネルギー学研究センター)
田中雅慶(九州大学大学院総合理工学研究院)

標記会議が,2007年7月2日−6日にワルシャワ(ポーランド)において開催されました.なお学会誌Vol.83-8月号に本報告ダイジェスト版が掲載されます。


[1.概要2.磁場閉じ込め核融合3. ビームプラズマ・慣性核融合
4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]

1.概 要

 2007年7月2日−6日にワルシャワ(ポーランド)において開催された第34回欧州物理学会(EPS)プラズマ物理に関する会議について報告する。

 プログラム上のトピックスのカテゴリーは磁場閉じ込め核融合,ビームプラズマ・慣性核融合,基礎・天体プラズマ,ダスト・低温プラズマの4つに分けられている。磁場核融合の発表が約半分を占めるものの,磁場閉じ込め核融合と,基礎・天体プラズマの連携セッションを設けたり,基調講演では導入を周到にし,特殊な用語を避けるなど,多分野の研究者にも理解しやすい包括的な講演が各カテゴリーから用意されたりするなど,物理学としての共通基盤を意識させようとする構成となっていた。これらの配慮は,国際原子力機関(IAEA)主催の核融合エネルギー会議との対比あるいは役割分担を意識したものであると思われる。

 これに加えて,流れとして強く感じたのが,国際化と女性研究者の貢献の増大である。総参加登録者649名に対して,日本から32名,米国から50名,中国,韓国からも数名の参加登録となっている。基調講演,招待講演数が合わせて77件,口頭発表数が79件,ポスター発表数は648件であった。各極の学会間の連携(EPS,APS,当プラズマ・核融合学会)が鋭意進められているが,招待講演が米国8件,日本2件,口頭発表が米国5件,日本3件と,欧米間の協力は日本の関わりに比して大きい。女性研究者の活躍は珍しいものでなくなっているが,開式に当たり,S.Guenter氏(マックスプランクプラズマ物理研究所,独)が今回,女性として初めてのプログラム委員長を務めたことが,ポーランドゆかりのキュリー夫人に例えて紹介されるとともに,EPS会議としても「Women in Physics」セッションを定着させるなどの努力が実ってきたとのことであった。

 開式では,恒例となった著しい功績を残した研究者の栄誉を称えるハンス・アルフヴェン賞がF.Wagner氏(マックスプランクプラズマ物理研究所,独)に贈られた。「Hモード研究の四半世紀」と題した記念講演については後述する。また,優秀博士論文賞の表彰もあった。さらに学生を激励することを目的として,会議での発表によって審査される,ポスター賞とプラズマ乱流研究を対象とした伊藤プロジェクト賞が設けられている。優秀博士論文賞4件は磁場閉じ込めのドリフト不安定性の3次元構造同定が1件,レーザーによる電子加速が2件,ダストプラズマの結晶化を対象としたものが1件と,ここにも研究の動向が伺えた。

 来年は6月9日−13日にクレタ島(ギリシャ)で開催される。

(山田)





会議が行われたワルシャワ会議場の夜景。典型的なスターリン建築。そばには昨年開業したモダンなショッピングセンターがあった。




会議場入り口,これだけ大きな幟も珍しいのでは?



ポスター会場風景,写真は時間外のため閑散としているが,大変盛況であった。


[1.概要2.磁場閉じ込め核融合3. ビームプラズマ・慣性核融合
4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]



2.磁場閉じ込め核融合

 まず,最初にF. Wagner氏によるハンス・アルフヴェン賞記念講演「Hモード研究の四半世紀」を紹介しよう。彼自身による1982年のASDEXトカマクでの初めてのHモード発見報告から25年という位置づけである。閉じ込め改善モードの端緒となったHモードはITERの標準運転に採用されるなど,核融合開発の使命に革命的な貢献をするとともに,プラズマ物理学に挑戦的な研究対象を投げかけたことは人口に膾炙(かいしゃ)されているところである。授賞理由にはASDEXでのHモード実験研究と,1993年以降のWendelstein 7-ASステラレータにおける実験研究による貢献が等価に評価されており,この辺りにもプラズマ物理学における普遍性に価値を見出すEPS会議の方向性が見える。記念講演では彼自身が関わった実験研究を軸としつつ,カドムツェフ,若谷の先駆的な乱流・帯状流の理論研究から導入を行い,物理過程の因果関係の追及を多様な実験装置(最大はJETから最小は東北大ヘリアックまで)における実験から考察する俯瞰的な構成となっていた。そこでは,伊藤公孝・伊藤早苗氏の理論研究や,JFT-2M,CHS,東北大ヘリアックにおける実験研究成果が言及され,日本の存在感は大きいものとなっていた。因果関係については帯状流の発生が最初にあり,それが径方向電場を形成し,この電場が乱流ひいては径方向の輸送を抑制するという論旨を実験観測によって示した。俯瞰的な考察として,Hモードへの遷移閾加熱パワーがステラレータではトカマクより小さいのは,ステラレータ特有の新古典拡散による電場が備わっているためであることや,W7-ASで見られる回転変換の共鳴的なHモード発生への影響とトカマクのセパラトリックス(シングルヌル,ダブルヌルなど)の役割をポロイダル運動量の平衡から論じるなどの試みがなされた。最後にアルフヴェンのノーベル賞記念講演から「4次元相対論や原子構造の不確定性よりはプラズマ物理の33個の不安定性を説明する方が簡単であると思える」を引用し,Hモード遷移について理解されていない課題を整理し,さらなる取り組みの必要性を強調された。

 磁場閉じ込め核融合に見られる動向として,3つあげよう。一つは,乱流輸送のジャイロ運動論シミュレーションおよび実験研究の進展である。両者ともによりミクロな時間・空間スケールの構造の記述に大きな努力が払われ,実際,成果が出ている。特に,3波相互作用によるミクロからマクロへのエネルギーの流れを議論することが必要条件となってきている。基礎基盤となる物理の解明とともに,ITERプラズマの予測精度向上という使命も課せられており,欧米の組織的な取り組みに日本がどう拮抗しえるかは課題である。二つめは,Edge Localized Mode (ELM)の影響に代表される周辺プラズマからプラズマ壁相互作用,そして対向壁材料への影響について,自己矛盾なく説明していこうとする組織的な取り組みである。そこでは,理論・シミュレーションの役割がより強化されてきている。一番の動機はITERにおいてプラズマの持つ熱エネルギーの数%がELMによって数100マイクロ秒で失われ,ダイバータ板は特に深刻な侵食を受ける,これにどのように対応するかである。ITERではダイバータ板をタングステンとするかカーボンとするかの選択が火急の問題である。将来の核融合炉ではさらに問題は厳しく,材料寿命とELMの制御について予測精度に優れたモデルの構築が急がれている。また,ダスト発生のトリチウムインベントリーへの影響も関連した課題である。最後は,基礎・天体プラズマとの連携である。流れ,乱流,運動量輸送,磁気再結合などがキーワードとして取り上げられ,それらを話題とした共同セッションがあった。日本においても物理学会,天文学会,地球電磁気・地球惑星圏学会3学会による合同プラズマ共催セッションが2年間から始まっており,また自然科学研究機構でも核融合科学研究所と国立天文台の連携研究が進められている。EPS会議の取り組みは少なくとも今回の共同セッションについて言えば,議論はまだかみ合っていない。このような取り組みは特に学生や若手研究者の将来に重要であり,プラズマ・核融合学会としても参画を検討してもよいのではないだろうか。

 日本からの招待講演・口頭発表としては,「大型ヘリカル装置(LHD)において観測された内部拡散障壁を伴う高密度プラズマの特性と運転領域」(山田弘司)と「JT-60Uにおける動的な自己調整を行うプラズマの実時間制御開発」(鈴木隆博氏・日本原子力研究機構)の講演があった。前者では,8×1020m-3の高密度が2.5Tの磁場強度で,開いたヘリカルダイバータ配位で実現されたこと,後者では先進トカマクの定常保持を目的とした,NBIを用いた電流駆動とブートストラップ電流による逆転シア配位の制御実験が報告された。 

 インフォーマルセッションとしてITERの議論をする時間が設けられた。G.Janeschitz氏(カールスルーエ研,独)がトップダウンの命題ではなく,現場から積み上げた現状報告を行い,大いに議論が盛り上がった。スケジュールについては見直している最中であるが,プラズマ点火が2019年ごろになることが妥当と見られること,NBIの1本は開発予定として3年の遅れが見込まれること,ダイバータ材料にカーボンを採用するか否かの判断が急がれることなど,決定的な課題が提示され,フロアとの真摯な意見交換がなされた。

(山田)


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4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]



3.ビームプラズマ・慣性核融合

 ビームプラズマと慣性核融合の領域で特に印象に残ったものに関して報告する。

 近年,超高強度レーザーテクノロジーのブレークスルーによって,X線/γ線生成,相対論的自己収束,高調和光生成,電子/陽子加速,非線形QED効果等,物質との相互作用によってもたらされる様々な新奇で魅力的な物理現象が浮き彫りにされ,21世紀の光科学を飛躍的に前進させようとしている。現在,日米欧などの各国で1020W/cm2レベルの超高強度レーザーが次々と出現する中,1024-1026W/cm2,果ては1030W/cm2のレーザーまでもが議論の対象となり,実験室ブラックホール(Laboratory Black Hole)といったSFまがいの造語が飛び交うまでに光の研究領域は活性化されている。特にここ数年,盛況を呈している研究領域の一つにイオン加速が挙げられる。物理現象自体はむしろ古典的とも言えるのだが,近年のレーザーの技術革新により50-100MeV超のエネルギーを持つプロトンビーム生成も視野に入り,癌治療などセラピーとしての医療応用が現実味を帯びてきたためである。メスでもなく化学物質でもなく,コンパクトなデスクトップのレーザーシステムによって癌が手軽に治療できるようになれば,それは核融合の実現同様,人類全体の悲願成就となり科学の勝利となる。世界の第一線研究者達がしのぎを削るのも当然と言える。一方で,こうしたレーザー技術のイノベーションが,今,欧州においてHiPER (High Power Laser Energy Research, http://www.hiper-laser.org/)と呼ばれる具体的な形の欧州横断巨大プロジェクトとして急浮上している。

 HiPERの第一の目的は,ペタワットレーザーを使った高速点火方式レーザー核融合の原理実証にある。既に,我が国においては阪大レーザー研でサブイグニッションを目標とするFIREX-I計画が進行中であり,さらにその後の低利得達成を掲げたFIREX-II計画を青写真として持っている。つまり,欧州連合によるHiPERは我が国のFIREX-IIに対応し,事実その立案過程において阪大のこれまでの成果が拠り所としてふんだんに引用されている。一方,米国の国立点火施設(NIF)とフランスのレーザーメガジュール(LMJ)の二大施設の建設が現在急ピッチで進められており,2010年頃を目標として中心点火と呼ばれる従来型の点火方式に基づいた初の点火燃焼をめざしている。高速点火の中心点火に対するメリットは,より低い投入エネルギーでより高いエネルギー利得が期待されることであるが,その分,未解明物理も多い。上記二施設が軍事応用をベースとして米仏が各々独立して進めているのに対し,HiPERはより学術的な観点から欧州11カ国が連合してエネルギー応用,基礎科学探究を目的とし急浮上してきたプロジェクトである。EUとして最終的にHiPER計画をどうするか,その査定のためのワーキンググループが既に立ち上がっている。余談ながら,隣国の中国も国家プロジェクトとして100kJ級のレーザー核融合施設「神光III」を国家の威信をかけ破竹の勢いで建設している。今回の会議ではこうした世界のICF情勢を改めて目の当たりにし,規模としては小兵ながらも世界の慣性核融合をリードしてきた我が国が今まさに正念場に立たされているのだと実感した。

 慣性核融合では,まずは米仏が中心点火方式による点火燃焼実証を,次いで高速点火方式による高利得実証が,と期待されるのであるが,最近になってImpact Ignition(阪大)やShock Ignition(米)といった全く新しい点火方式が提案され本会議での報告においても関連研究者の大きな関心の的となった。最終的に核融合レースにどの方式が生き残るかは未だ不透明といえるが,エネルギーという最終目的地に通じるであろうバイパスが複数できるのは多いに結構なことである

(村上)



欧州連合によるレーザー核融合構想施設:HiPER システム鳥瞰図

[1.概要2.磁場閉じ込め核融合3. ビームプラズマ・慣性核融合
4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]



4.基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ

 EPS会議のカテゴリーは(I)磁場閉じ込め,(II)ビーム・慣性核融合,(III)基礎・天体プラズマ,(IV)ダスト・低温プラズマとなっていて,4分野構成である。ダストは基礎に含まれると思うのだが,EPS会議ではなぜか1分野を形成している。低温プラズマはプラズマ応用のことである。とにかく私が担当したのは(III),(IV)であるが,一人で2分野の講演を聴くのはさすがに無理で,以下印象に残った講演の紹介と感想を述べる。

 V.E.Fortov氏(極限状態研究所,露)は極限プラズマの話を紹介した。極限といっても何をパラメータにとるかによって対象は異なってくる。今回の話は,衝撃波を使った高密度極限プラズマの話で,ウォームデンスマター(WDM)の領域の話である。水素の電気伝導度が超高圧化の圧力電離によって急激に上昇し相転移を起こす実験を主に,C60の金属化,Liの誘電体化などを紹介した。前回話を聞いたときには,強結合プラズマの話が主だったと思うが,今回はWDMに重心を移したようだ。いつもながら,彼の講演は“まえがき”と“目次”だけを見せられたようで個別テーマの中身については突っ込んだ話はなかった。極限プラズマの話はどの会議に行ってもFortov氏が出てくるが,そろそろ,現場の研究者からの報告があってもよいのではないかと感じた。

 B.Thide氏(宇宙物理研究所,スウェーデン)は電離層における非線形現象を,地上から観測するための新しい手法と観測計画の話を行った。プラズマ乱流や構造形成は必ず波動を伴うが,新しい手法は,これらを2次放射と考え,地上から送られた電磁波との相互作用を利用して観測するものである。ただそれだけなら目新しくはないが,Thide氏らは地上から送る電磁波に,軌道運動量や,角運動量をもたせ,その散乱特性の違いからより精密な観測を行おうというものである。そのためにアンテナアレイの位相制御法を開発中である。この位相制御技術は量子光学にも関係があるそうで,一度きちんと勉強したいと思った。

 D.Block氏(キール大学,独)はダストプラズマの3次元計測の話を紹介した。通常ダストプラズマの結晶化の実験ではシート状のレーザービームを当てて2次元的に観測したデータが示されるが,Bockたちは3方向から同時観測し,数値計算によってダストの3次元構造を再現していた。その結果,結晶がシェル構造していることを報告していた。また,デジタルホログラフィック法という3次元再構成法も同時に開発したことを報告していた。A.Piel氏(キール大学,独)たちのグループはダストプラズマ分野では一歩進んでいると感じた。

 プラズマ応用では,橘 邦英氏(京都大学)がマイクロプラズマの生成と応用の基調講演を行った。マイクロプラズマの2次元構造は電磁波に対して人工格子のような作用をもたらす。ちょうど,光に対するホトニック結晶に相当することになる。プラズマの密度が高くωpe>ω(周波数)の場合,一様プラズマではカットオフとなって電磁波の伝播は禁止されるが,マイクロプラズマの2次元格子ではバンドギャップと伝搬モードが現れることを報告した。この現象は,マイクロプラズマの“人工格子“を用いたmm波の動的制御への応用が期待できる。

 目新しいところでは,プラズマを用いた燃焼の話があった。IEEEでは昨年12月号に特集号(IEEE Transaction on Plasma Science 34, Dec. 2006)を組んでいるが,プラズマを用いた非平衡反応の応用は燃焼効率の改善によるCO2排出低減や超高度における飛行体のエンジン性能などに応用が期待される。

 D.Ryutov(ローレンスリバモア国立研究所,米)はMHD現象を使って光子の質量(の上限を)を決める話を紹介した。光子に質量があるとすると,アンペアーの法則とガウスの法則が変更を受ける。変更されたMaxwell方程式に基づくMHD方程式系は当然通常のものとは異なっているわけで,この違いに相当するMHD現象を抽出して光子質量の上限を決めようというわけである。例としては太陽フレア,天体ジェットなどのデータから算定できると言っていた。

 前回参加したのは第29回(モントルー2002年)で,このときから会議の名前がEPS Conference on Plasma Physicsになった。それでも,モントルー会議のときは核融合に関する発表が主で,基礎系としてはダストプラズマがワークショップを行っていたくらいである。それに比べて今回は,基礎系の発表が増えていると思った。ただ,内容に関してはダストを除くと,ドリフト波乱流やゾーナル流がらみの話が非常に多く,閉じ込め研究との共通部分が増えたという点ではよい事であるが,プラズマ応用も含めた研究テーマの広がりという点では多少不満も残った。

(田中)


[1.概要2.磁場閉じ込め核融合3. ビームプラズマ・慣性核融合
4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]



5.あれこれ

 会議主催のツアーではワルシャワの旧市街を見学した。ご存知のように,ポーランドはナチスドイツやその後ロシアの支配下に置かれ,苦渋の歴史を持つ国である。第2次大戦では町のすべてが壊滅的な被害を被り,現在の“旧市街”はその後再建されたものである。昔のままに再建するという当方もないアイデアを実行したポーランド人の情熱に敬服した。またポーランドは,初めての女性ノーベル賞受賞者で,唯一2度ノーベル賞を受賞したマリーキュリーの母国である。彼女の生家も旧市街のそばにあった。ちなみに,マリー(マリヤ)という名前はポーランド女性でもっともポピュラーな名前だそうで,二人に一人はマリーであるとガイドの女性が言っていた。ガイドの名前もマリーだった。

(田中)


マリーキュリーの生家

 筆者が初めてワルシャワを訪れたのは20年近くも前で,まだソ連邦が健在の頃であった。今回久方ぶりに訪れてみて,街全体の雰囲気が灰色一色のイメージであったあの頃と比べると,街は見違えるほどに西側化され華やかになっていた。目抜き通りを歩けば十秒に一人は寄って来た怪しげな男や女達は今では影も形も無かった。その一方で,好奇心一杯気さくに話しかけてきた市民の数は激減し,通りを行き交う人達の雰囲気が妙に空々しく感じられた。ソ連邦崩壊とそれに連動したグローバリゼーションによって東欧の人と街の持つあの独特の風情がどんどんと薄れてゆくようで一抹の寂しさを感じたワルシャワ行であった。

(村上)


[1.概要2.磁場閉じ込め核融合3. ビームプラズマ・慣性核融合
4. 基礎・天体プラズマおよびダスト・低温プラズマ / 5.あれこれ]


最終更新日:2007.8.2
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